今度はみろが体調を崩した。
この姉弟は体に先天的な問題を抱えているんだろう。
まるおお家のトラちゃんも心配だ。
しいは結膜炎だったが、みろは副鼻腔炎になった。
猫にとって、怖いのは副鼻腔炎の方かもしれない。
鼻でにおいを嗅いでから食べ物を食べる動物にとって、
においを感じない食べ物は、食べ慣れた物であっても
口に入れようとしなくなるからだ。
みろは最初軽いくしゃみからだった。
それを葛根湯で抑えていたが、
それが抑えきれてなくて、くすぶっていたのだ。
みんなから離れて過ごすことが増え、寝ていることも増えた。
くしゃみを一発したときに、大きな青っぱなが出てきて、
やっと気が付いた。
しかし、その時から体重が、冷や冷やするほど減少していて、
毎日100gくらい減少していった。
あまりの減少具合に、仕方なく、抗生物質で叩こうと、
抗生物質を飲ませて、「しまった!」と気付く。
みろは過去に抗生物質に副作用を起こしていて、それをお薬手帳にも
「もしかして抗生物質がダメかも」と言う程度のメモ書きがあったのだ。
みろは案の定、飲んで一時間するかしないかのうちに嘔吐した。
「もしかして…」とあったメモはこの日を境に「禁忌」となった。
つまり、この子は、獣医師にかかって、西洋薬を出されると
衰弱してしまう可能性があると言うこと。
漢方薬で鼻づまりに効果がある
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
を朝晩2回、空カプセルに入れて飲ませることにした。
しかし、食欲はどんどんなくなって、水以外飲まなくなったので、
水の中にブドウ糖を溶いて置いたら、それをよく飲んだ。
ちゅ~るもシーバも食べなくなったのは
症状が出てから5日目の10月25日。
5.2kgだった体重は4.2kgになっていた。
漢方が効いてるのか自信が無くなって、迷う。
獣医に行くべきか、否か…
そんな時、漢方薬の申し子のにこに
「にこ、教えて、ママはどうすればいい?」
訪ねた。
みろの症状とにらめっこしていて、日付が分からなくなっていた私の目の前に
カレンダーが…。
日にちを見ると、今日がまさににこの命日だった。
思わずハッとなる。
こんなことって…
にこを失った時に、どんな後悔をしたのか、鮮明に思い出した。
「ずっと漢方薬で治療し続ければよかった。
ステロイドなんて飲ませなければ良かった」
あの時思ったのは、これだった。
亡くなったにこが、私に解答をくれた、そんな感覚だった。
亡くなった子と、こうやって交信できるんだと思った瞬間でもあった。
にこはやっぱり、うちの守護猫になったんだね。
それから、驚くほど、私に良い情報が入って来るようになった。
これまで、漢方薬1種類に対して、併用が怖くてできなかったけど
今のみろは鼻を治したいのと同時に、
免疫力も高めたい。
それは1種類の漢方薬ではできなかったけど、
併用の際、何に気を付けて飲ませればいいのかが分かってきて、
朝晩の葛根湯加川芎辛夷の他に
昼に十全大補湯(じゅうせんたいほとう)を飲ませることが出来るようになった。
この合わせ技は初めての試み。
そして、これが良かった。
この時、気を付けたのは、体温と心拍数と胸の音。
肺炎には特に気を付けた。
うちには聴診器があるので、
音が正常か、それでチェックしながら投薬した。
比較は、もちろん元気な子の胸の音。
めいとしい、きの、そしてこい。
並んで出待ちしてた君たち、ちょうど良かった。
衰弱がひどい時は、十全大補湯をやめ、人参栄養湯を飲ませた。
それから、たまたま、ある論文が目にとまり、
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が
鼻づまりにも効果があったというのを読んだので、
みろの状態を見ながら、
朝晩の補中益気湯、昼の葛根湯加川芎辛夷に変更した。
補中益気湯は、食欲不振にも、体力がない時にも効くのだけど、
鼻づまりにも、とは驚きだった。
その後、鼻づまりに効果が得られたものの、
今週頭くらいに、体重は3.9kgまで落ち込んでいた。
ご飯を食べないのを何とかしたいと、
ちゅ~るを、口元にくっつけてやったりした。
猫は口元についた物はなめとるので、
鼻につかないように、有無を言わさず、口にべたっと塗りつけた。
すると、どうせくっつけられるならと思ったのか、
自分から舐めるようになった。
舐めるようになったらこっちのもの。
クマザサの粉も一緒にくっつけて舐めさせた。
ブドウ糖水はよく飲んでいたので、幸いだった。
でなければ、猫の一日のエネルギー量
約70kcal×体重
に、全然届かない。
ちゅ~るは1日4本までなんて書いてあったけど、
そんなもの関係ない。
とにかく食べる物は食べさせないとと思って、
多い日は5本でも食べさせた。
膿のようだった鼻は、徐々に改善されてきているのが分かった。
ずっと浴室と脱衣所で過ごしていたみろが、自分から出てきて、
みんなと過ごすようになり、
今は猫ツボにいることが増えた。
昨日は久しぶりにカリカリを食べているところを見て、
飛び上がるほど嬉しかった。
嬉しくて手が震えて、写真がぶれてる。
毛ヅヤが変わったと思ったのは、7日から。
くしゃみの時、青っぱなは出なくなった。
ツボ押しもした。
鼻づまりの時は、鼻筋に沿って、マッサージ。
鼻筋を挟むように、ぐっとツボ押し。
首の後ろにもツボがある。つまんで引っ張る感じでマッサージ。
まだ完全復活ではないが、今日もかなり調子がいい。
この方針であっていたという確信は得られた。
今後も、しいも含めて、この姉弟は気をつけなければならないが
良い成果を得られて良かった。
治療は、迷いがつきものなんだと思ったら、
即断する医師や獣医師の仕事の大変さを感じた。
私は毎日見てるし、何が良くて悪いかを知っているけど、
獣医師は知らないのだから、そこから判断することって、
ホント大変。
経験と知識がいかに必要か。
西洋薬は病気に対して即効性はあるものの、
その早さは「強さ」でもある。
みろのように西洋薬が合わない子もいる。
その子の食生活、運動量、家族関係まで知らないと
なかなかすぐに判断できないけど、
治癒まで時間もかかるけど、
それでも動物の治療には、漢方薬の方が向いている
と思ってしまうな~…。
この記事へのコメント
トトパパ
みろちゃん、大丈夫ですか。
漢方はなんでも効くんですね。
まさに特効薬ですね。
調子が良くなってきましたか。
それは良かったです。
早く完全復活できるといいですね。
何卒お大事に。
y&m
バンビ2
猫ちゃんの具合が悪いのは 大変ですね。
色々お薬を変えるなんて まるで獣医さんですね。
聴診器まであるなんて。
でも 食べるようになって 少し安心かな。
動物の健康管理も 大変ですね。。。
みるくっち
今日の記事を読んで手を叩きたくなりました。
(^-^)//""ぱちぱち
みろちゃんにも
(^-^)//""ぱちぱち
私のかかりつけの獣医師は中医学の勉強もしているので
漢方をその胡の体調に合わせて出してくれるし
指圧、針、お灸もしてくれました。
TAMOさんも知ってるようにお灸は驚くほど足腰が動くようになりご飯も沢山食べてくれるようになって
ビックリしました。
みろちゃん完璧に治るのには時間がかかると思いますが
カリカリをしっかり食べてくれるようになることと
体重回復を祈っています。
お大事にして下さいね。
まるおお
トラは今朝久々に生ごみを漁り吐いてました(;^ω^)
昨夜私が行き倒れで寝てしまって片してなかった…
みんなまるっきり同じ症状ではなく ってのがね
野良生まれも丈夫なようで問題は多いね
トラの心配ポイントはお腹が固い感じがするの
そこ関係あるのかもね。
とりあえず つよい子のみろに戻ってきてよかった~~(*^-^*)
陸&クロ
TAMOさんの献身的な
介護には敬服します
クロ君具合いが悪くなると
即病院に電話してつれていきます
陸君の場合もそうでした
何をしていいかわからないから
病院が頼りですね(´・ω・`)
詩音連音
おはようございます(^o^)
なるほど。漢方薬かぁ。
もしかしたら「にこ」ちゃんがうちの息子クンにもヒントをくれたのかも???
うちの息子クンも鼻炎がひどくて、病院にも行っているけど西洋医学のお薬をずっと飲んでいるんですよねぇ。アトピーも完治してないし、、、
やっぱり漢方薬なのかもしれない。と思いました。にこちゃんが生存中の記事を見ていたにもかかわらす、今頃気付くなんてね、、、。
みろちゃん、元気になって良かった良かった。
昨日、「旅猫リポート」の映画を観てきました。
バスタオルが必要なくらい泣きました(笑)オススメです。
TAMOさんは、仕事柄なかなか時間は作れないかもしれないけれど、機会があったら観てみてね(^o^)
ヤス
TAMOさんの愛情と鋭い観察の賜物かと、あっ、にこさんのお力もね。
タフィー104
きっとにこちゃんが見守ってるよ
カリカリ食べてるし
生命力あるからきっと大丈夫
漢方の力もすごいもんだね
摩利紫天@analog-ya
ちゃんとTAMOさんを助けてくれてたんですね
確かに、動物だと喋ってくれない分、判断が難しいこともあるでしょうね
TAMOさんも、さぞご心痛でしたでしょう…そんな中じゃがいもを送ってくださって、改めて感謝です
みろちゃんがカリカリを食べてる後ろ姿を見ると、痩せてしまっているのが察せられますが、回復しているならなによりです
もう猫壺はみろちゃんに献上いたしましょう…って訳にも行きませんよね
草凪みかん
そしてもちろんにこちゃんの導きも。
確かに猫にとって匂いを感じられなくなるのは致命的。
島猫の仔猫、8割までが最初の冬を越せずに命を落としてしまうのは猫風邪を発端にしたこの症状が多いそうです。食べられず、体は小さいからどんどん衰弱していく。
やはり猫は家で暮らすのが一番幸せですよね。
まりけけ
みろちゃん♪快方に向かってホントに良かったですね~
漢方薬が上手くいって。。。
すごい勉強されて。。。頭が下がります。。。
自分の飼ってる仔の事くらいはきちんと知っておく事が大事ですね~(*^-^*)
無門
子供の症状は
お医者さんよりも
母親の方がよくわかるのでしょうね
kyoro
みるみる回復しますよね
ウイルス性鼻気管炎みたいな症状?
中獣医学を勉強されていて、治療に
漢方を取り入れている獣医師も
いらっしゃいますね。
みるしっぽ
体を冷やすとぶり返すことになるので なるべく冷えないようにしてます
漢方薬 体に合うと効きますよね
副鼻腔炎も漢方の方が効くかな
副鼻腔炎の抗生物質は 前に副作用が出たことがあったので(たいした副作用ではないけど・・・) あんまり飲みたくないんですよね
サバ
しっかり!観察して!処方して!快方に向かっているってことは!まさに!TAMOさんの愛情の深さだと感心しました!
人間も!西洋の薬に頼らず!直ぐに治したければ西洋医学だけど・・・芯から治したければ東洋かも知れませんね~
私は抗がん剤の代わりにホルモン剤使っていますけど・・・結構、副作用が出てます・・・
ただ!それ以外の薬は飲んでいないので・・・
余計な物は口から入れない!を心がけてね!って自分の話ですみません!
にゃんは話せないから!TAMOさんのように察してあげないとね!
マーシャの乳母や
熊笹茶はなかったので、久しぶりにどくだみ茶買ってきた
これもいいよね〜
南天
そのひらめきは、守護ちゃんがいたからですよね。
治って本当によかったです。
まじま
我が家の猫もくしゃみと鼻詰まりに悩まされていまして、漢方が効くと聞きまして、このサイトに巡り合いました。
教えていただきたいのですが、漢方薬の分量はどのように決められていますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
TAMO
コメントありがとうございます。
鼻炎の猫ちゃん、ご心配ですね。
12月20日更新の記事に画像を入れてご説明しますので
そちらをご覧いただければと思います。
猫ちゃんの健康回復を心からお祈りしています。
まじま
ご連絡ありがとうございます。
まだ食欲はありますので、今のところは大丈夫と思いますが、動物って急に状態が悪くなったりしますので、心配でしかたなくて。
承知しました。12月20日更新内容を確認させていただきます。
ありがとうございました。
まじま
横田真里
突然のコメント失礼致します。
こちら北海道です。
現在、外猫は避妊去勢手術をして約15匹くらいと家猫2匹と生活しています。
家猫の1匹は元外猫で2ヶ月前に瀕死の状態で現れ病院に連れていったところ、猫風邪からの副鼻腔炎になったようで2ヶ月間入院して一昨日退院させて連れた帰ってきました。
食べないので注射器で食べさせてはいますがとてもかわいそうで、現在抗生物質を飲ませていますが、猫にも漢方が良いと知りこちらのブログに辿り着きました。
私自身も漢方服用しているので身近な物でもあり嬉しい気待ちでブログを読ませていただきました。
質問なのですが、与える量はどのくらいなのか教えて頂けませんか?
他の方のコメントで、2020/12/20の記事にしていただけるような事が書いてあったのですが記事が見られないのでコメントさせて貰いました。
敦